長子相続は間違いか?

事業主の相続では、長子相続が事業安定化につながることが多い 投稿記事

 戦後、変更された制度の一つに長子相続(家督相続)があります。この家督相続は、明治31年7月16日から昭和22年5月2日まで施行されていた旧民法の遺産相続の方法で、戸主が隠居や死亡をした際、長男がすべての財産、および戸主の地位を相続し、その代わり他の家族を養う責任を負っていました。
 今の民法では、相続権が及ぶ範囲も相続割合も「子」である以上、全て同割合となりました。例えば、認知した子、先妻の子、養子、今の妻との子の4人がいたら、妻は1/2、子供たちは全て1/8ずつ相続することになります。これを平等とか民主的とか人権などと言うことは可能でしょう。
 ただ、夫が事業主だった場合はどうでしょう? おそらく事業を継ぐのも介護するのも、今の妻の子供だと思われます。株式は分割され、事業を安定させる為の融資では個人保証を要求されることもあるでしょう。介護も看病もせず、事業に何の協力もしないどころか顔も名前も知らない兄弟が同じ割合。これでは平等という名の不平等です。
 他にも、例えばある子と折り合いが悪い場合も含め、法律通りの相続を変更したい時に、遺言書が役に立ちます。遺言では遺留分までは侵害できませんが、上記の例の場合、今の妻との子は、少なくとも、5/16まで相続分を増やす(何もしなければ1/8のまま)ことができます。
 事業主の方は、事業の安定を求める場合、法定相続分と異なる遺言書を作成しておかれるというのも1つの方法です。
 事業主の方の「想い」がきちんと伝わる様な公正証書遺言の起案も行政書士が行います。

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