昭和生まれの社長は会社を潰したく無い余り逆に・・

京都太陽行政書士事務所 昭和生まれの社長は会社を潰したく無い余り潰してしまう 投稿記事

1. 昭和生まれの社長の共通項
 昭和生まれの社長さんは、人一倍、会社を潰すのが嫌で、後継者を信じられず、却って逆に、結果的に潰すことが多い、と言う事象に心当たりはありませんか? 

2. 完璧な人間はいない
 もし、思い当たることがある社長さんは、①自分と全く同じ価値観・同じ発想・同じ決断をする人間は存在しないと言う現実を受け止め、②次善の作として、①の内、どれだったら譲れるのか、③一番捨てられないものは何なのか、なぜそれが譲れないと思うのか、④もし、それがなかったら、本当にどうにもならないのか、⑤どうにもならないと思う確たる証拠、根拠はあるのか、と言ったことを、一度点検してみる必要性がありそうです。

3. 後継者育成の手抜きを、後継者のせいにしない
 「自分一代で築いてきたから」、、、確かにそうでしょう。しかし、京都の数百年も続く老舗も、最初は一人で築いて来られました。
 また、当事務所HPの投稿記事、『生殺与奪権は他社に与えない』、『事業承継は血縁か価値観か』、『品質や姿勢も大切、それを支えるのは消費者』などでも書いている様に、それならそれで、なぜ後継者を、価値観が一致する様に育成して来なかったのか、今までの後継者作りにも問題がありそうです。

4. 人生の長さから逆算して動く
 人のおおよその寿命は決まっています。40歳代で突然倒れた、と言うなら仕方ありません。しかし、もし、そうでなかったのなら、例えば、60歳で後継者に譲ってみる、会長・二人社長・副社長、肩書きは何でも良いので後継者をサポートし、判断がおかしい時は修正させるなどして、自分とぴったり息が合うところまで育成することはできたはずです。

5. 顔が違えば考えも違う、経営者のコピー人間は存在しない
 そして、何度も言いますが、人は10,000人いたら10,000通りの価値観を持っています。同じ顔の人がいないことは、皆、理解しているのに、同じ価値観を持つ人がいると勘違いしている人が多過ぎます。顔も価値観も同じです。根本になるDNAが異なるのですから、誰一人同じ人はいません。
 仮に、ある事柄のある点だけは完全に一致という人はいるかもしれません。しかし、およそ人たるもの、物の考え方から判断の根拠、決断力、実行スピード、人を見る目、妥協点、お金に対する考え、お金の使い方・・全てが一致する人が存在するはずがありません。

6. 現実逃避と思考停止からは何も生み出せない
 にも関わらず、どこかに価値観が等しい人がいると言う幻想で、「現実逃避」「思考停止」しているのです。
 特に、団塊世代の社長さんは、学生時代に学生運動されてどうでしたか?
 当時、小学生の私はたまたま大学の横を通っただけで、ヘルメットを被りタオルでマスクした学生から、無理やりビラを押しつけられました。幼稚園から単行本を読破し、小さい頃から問題意識を持ち大人びていた私が、「いりません。共感できません。顔も見せられない人は信用できません」と拒否すると、子供相手に、「お前はまだ目覚めてないのだ」と言った類のことを言われました。
 しかし、目覚めていたはずの当の学生たちは、その後、内ゲバ、殺人まで犯していました。
当時、価値観が一致したから、一緒にあの暴動をされたのですよね。 

7. とりわけ自己中心な団塊世代
 そして、団塊世代の学生たちは、就職の時期になると、「そんな運動知りません」と言う顔をして就職されました。
 公共の大学施設を壊し、窓を割り、ビラまみれにし、有益な授業をボイコットし、学びもしないで暴動していた学生を、私たち下の世代は、「この先、どうするのか」と注視していました。
 ところが、自らの過去の歴史をGHQの様に黒塗りし、なかったことにし、リクルートスーツを着て歩く。採用する方も採用する方だと思いました。
 私たち世代は、あの団塊の姿と企業の姿を見て人間不信・社会不信になりました。そんな身勝手なあの暴動で、世の中に「目覚めた人」って何人増えたのでしょうか。
 学生時代に、一つのことなら共感できる人はいたでしょう、しかし、すべてにおいて価値観が一致する人はおられましたか?

8. また、権威に騙されますか?
 自分の子供さえ価値観が一致しないのが普通なのに、価値観の一致する人間を延々と求めて、ある日突然倒れてしまっても本望なのでしょうか? 
 また、銀行員や弁護士などに、「この人なら後継者として信頼できる」と騙されて、ロクに知りもしない人間を後継者にして会社を乗っ取られるのが本望ですか? (そう言う事件も結構起きています) 
 大体、昭和の社長さんは、銀行、弁護士、大企業という肩書きに弱く(結局、それは自己否定だと言うことすら認識されていません)、ころっと胡散臭い人や話や商品に騙され、手を出してしまうことになります。
 西陣界隈でも、銀行員が勧めたからと言って、外貨預金や胡散臭い投資話に手を出されていて、「それで、儲かったのですか?」と尋ねると、「いや、赤字だ」と言う、「早々に損切りされたほうが良いのでは?」と伝え、1-2ヶ月後に再訪問すると、損切りどころか、また新しい怪しげなことに手を出している、と言ったことが結構ありました。銀行員や弁護士の犯罪は結構ニュースになっているにもかかわらずです。
 こうなると、自分で会社を身売りか潰す様に仕向けている破壊主義としか解釈できません。あの学生運動の破壊が忘れられないということなのでしょうか。

9. 社員を信じられないのは、ご自分の数十年を信じられないから
 さて、事業をこの様な怪しげな人に任せますか? それとも、長年尽くしてくれた社員に託してみますか?  今、外資が大量に京都に来て企業の買収や乗っ取りを図っています。
 マネトラ、ハニトラに強く、日本や京都が好きで、自分たちの技術に誇りを持ち、愛社精神がある社員なら、若くても経営経験がなくても思い切って託してみてはいかがでしょうか? 人は痛い経験をしたり教えられて育つのですから、最初から完成した人はいません。足りない部分は補いつつ経験して貰えば良いのです。  
 それとも、いっそ、ご自身の手で廃業されると言う手もあります。技術を奪われたり乗っ取られるくらいなら、廃業して全てを葬るのも潔い選択かもしれません。
 当事務所では、京都の企業を潰したく無いという強い思いから、事業承継のお手伝いもしています。

©️ 2023   京都太陽行政書士事務所

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