部品を蔑ろにした結果

完成品の一部の部品を蔑ろにすると、結局、完成品も品質が落ちる 投稿記事

 西陣織関係者は、もう10数年以上前から、「西陣織の機織り機を作る後継者がいない」と行政や政党などに伝統産業継続の危機を訴えてきました。
 しかし、結局、機織り機そのものでなく、機織り機の部品の一部を作る職人の方がなくなり、3Dプリンターで作ったり工夫はされているようですが、職人の作った部品には遠く及ばないとのことで、京都の1000年の技術は正確には途絶えました。
 技術承継と言うと、作る人ばかりに目が行きがちですが、実はその人が使う機材そのものや測定器、研磨機などの道具類も含めて、全てがその人の技術を支えています。そして、それは、すべてのものづくりにも言えることです。
 製品は、数多くの部品で成り立っており、どれが欠けても、どの部品が少し変わっても、完璧な元の製品にはなり得ません。そして、その一つ一つの部品も、それを作るにあたり必要とされる機械や職人の手仕事が関わっています。
 その一つ一つの部品を作る工程や、素材を作る機会や職人、部品製造機に使われる小さなパーツに至るまで、どれが欠けても、その製品の品質にはなり得なかったのです。
 そんなことすら理解できない行政が、そこに目を向けないで、人を育成したから良いだろうと思うのは、本当の意味で、伝統や技術というものが分かっていないと言わざるを得ません。
 技術も人も、それを支える人や技術の積み重ねで成り立っています。それは、仕事にこだわる日本人同士の、互いの技術力の信頼の上に成立するものです。
 それもわからない、日本の歴史も知らない行政が、上記の西陣織の様に、薄い支援をしたところで、本当の支援にはなり得ないのです。
 また、それを分かっていない外資が技術を乗っ取っても、その時点で、正確にはその分野の日本のものづくりが途絶えます。
 行政には、せめて、税金を、納税してきた日本人と日本の技術を守るために使って欲しいと思います。
 「製品には作る人の魂が宿る」と言います。また、「悪魔は細部に宿る」とも言います。
 日本企業名の製品でも、外国で作らせた白物家電やパソコンは5年も持たないものが多く、中には購入して半年以内に壊れるものも増えました。
 部品や技術を蔑ろにしたら、やがて made in japan 全体が同じ経緯を辿るかもしれません。
 当行政書士事務所では、そう言った中小企業の技術を守りたいと言う思いで、様々な本気のご支援をしています。 

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