相続手続きの進め方(2)

行政書士の仕事 相続手続き 投稿記事

①相続人を確定する
 相続手続きを始める場合は、まずは相続人の確定から始める必要があります。相続人も全て老齢の場合、既に何人かが亡くなり、その相続人の子供が代襲相続して、相続人が多人数になっている可能性があります。多人数になっていると手間はかかりますが、進め方は同じです。
 まず、被相続人(亡くなった方)の謄本を取り寄せ、その謄本に名前の出て来る人(配偶者や子供や兄弟など)の謄本を更に取り寄せるという方法で相続人を確定して行きます。
 被相続人の誕生から死亡までの謄本を全て漏れなく集め(人によっては、戸籍を何度も変えているので、結構手間がかかります)たら、まずは簡単な相続関係図を作っていきます。そして、誰が権利者で、それぞれの相続分がどれ位になるのかを計算していきます。
 場合によっては、養子縁組をしていたり、先妻の子がいたり、認知していることもあります。その人たちも相続人になりますので、あとで揉め事にならないように調べて下さい。相続関係図は、自治体やネット、終活関連本などからでも入手できます。
②相続財産を確定する
 相続人が確定できたら、次は相続財産を確定します。
 被相続人の家や家財、畑、クラシックカーなどは外見でわかりますが、預貯金や現金、未払い年金、生命保険、株式、社債、高額な腕時計、書画などの高明な作家の美術品や工芸品、骨董、貴金属類などは、家の中を整理しないとわからないかもしれません。これらの全てが遺産分割協議書を作成するのに必要なわけではありませんが、残しておくと後日揉める事があるため、一応把握しておくことをお勧めします。
 聞くところによると、畳の下にお札がびっしりとか、糠床に通帳とか、色々あるようです。血眼になって家探しというよりは、相続人で個人を忍びつつ、おうちも整理・片付けしてあげつつ・・と言うのも供養で、案外早く見つかるかもしれません。
 不動産に関しては、法務局で登記簿を取ってきます。預貯金は、財布の中のカードで、貴金属などは銀行の貸金庫カードなどで把握できることもあります。正確には、エンディングノートや遺言書があれば把握できますが、本人が書き忘れている場合もありますし、家財を整理しても漏れるものがあるかもしれません。出てこなかった物は、本人があの世に行くのに必要な物だったと思うしかありません。
 ところで、相続はプラスだけでなく債務(マイナス)も相続します。商売をされていたり、土地に抵当権が設定されていると、もしかしたら債務の方が多い可能性もあります。その可能性がある場合は、相続放棄や限定承認も視野に入れなければなりません。これには期限(相続を知った日から3ヶ月以内)がありますので、早期に債務の確認をされることをお勧めします。債務は、郵便物などから確認できる場合もありますが、遺産分割後に判明する事もあるので要注意です。
 また、被相続人が高名な芸術家だったりすると、相続税が思わぬ額になる事があります。「物納」と言っても、いきなり芸術品には行かないで、不動産とか取りやすいものからになってしまうため、そう言う場合は、公立校や病院などへの作品の寄付を検討される事もお勧めします。とある作家の遺族は、相続税対策で寄付したり、デッサンや素描・下書き図を焼き捨てたと言います。貴重な芸術品が消えることは忍びないですが、美術品に対する税の評価が変わらない以上仕方ありません。この様に、相続する額と支払う税金とを考慮して、多様な選択肢を検討することは大切です。
 さらに、長い間相続手続きを放置したために当初の相続人が亡くなり、新たな相続人が増えると、いろいろ言いだす人も出てきます。できれば、自分の兄弟や甥・姪など、多少は無理の言える顔見知りの相続人がいる間に相続を完了させるのがお勧めです。
 特に、来年からは、相続登記の義務化が始まります。罰金は10万円ほどですが、債務がない場合でも、相続後、なるべく3年以内に終わらせることを目標に動き出しましょう。

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