人材は集める? 育てる?

優秀な社員は集めるのか、自社で育てるのか、育成視点も大切 投稿記事

 「良い人材が来ない」と嘆く社長さんは大勢おられます。就活学生が会社を知る手段は、CMやマイナビ、indeedなどの情報、大学の求人票が殆どです。多くの学生は、会社の理念や事業などでは探していません。 
 入試の時は4年間のために大学毎に傾向と対策を練っていた学生でも、何十年も働くことになる就職なのに、金融に全く興味がなくても周囲が銀行を受けると一緒に受け始めるなど、主体性をなくし、何となく他人任せの様になります。
 どの会社のエントリーシートや履歴書の質問も同じように、「卒論テーマ、学生時代 力を入れたこと、自己PR、志望動機」ですが、22歳でそんなに画期的な成果を出した学生がいるはずもなく、卒論テーマは4回生で決まりますが、就活は3回生からです。そこで、結局、「盛る」、つまり、部活を2ヶ月で辞めているのに4年間頑張った事にするなど、偽装のオンパレードになります。
 もちろん、写真もフルメイクで撮影した後、さらに修正して貰います。(男子学生も同様です)
 素のガクチカや自己PRでは面接に進めない為、応募書類は、大学や支援機関で全く別の文章に作り直して貰い、何度も面接練習をして対策を教えて貰います。公務員志望の学生は予備校の丁寧なカリキュラムに沿って動きます。自力で動き、企業を探し、採用を勝ち取る学生は、大学にもよりますが1〜2割です。
 こう言った主体性のない学生でも、就職するとそれなりに会社員として働いています。学生がこうなる原因は何でしょうか? 学生だけが悪いのでしょうか? また、企業は、そんな偽装の書類や面接応対で、学生の本当の力量や意欲、打たれ強さなどが判断できるのでしょうか? 
 他にも、高卒は現場作業、大卒は営業と決めて採用している会社もあります。大卒でもコミュニケーション力がなく、コツコツと現場で作業するのが好きな学生もいれば、高卒でも親の事情で進学できない生徒もいます。また、家が商売をしていたり、バイトリーダーをしたり苦労しているときちんとした応対ができる生徒もいます。そして、高卒の生徒は直接現場に通うシステムです。社長も現場には行かない、これでは裏表なく真面目に仕事をしている社員かどうか、どうやって評価するのでしょう。何より、その会社は、人を採用しているのか、学歴を採用しているのか、果たしてどちらなのでしょう?
 多くの人事責任者に、採用後「失敗した」と思う学生の割合と、翌年は選考方法や基準を変更したのかを確認した所、どの会社も変えていないとの答えでした。今年の学生は秀逸だ、と思った学生が支援機関の添削の丸写しをしているかもしれません。
 京都の某クリーニングチェーン店社長は「問題のある子こそしっかり育てる」と、さまざまな生徒を引き受けて下さいました。陸上自衛隊高等工科学校では、やんちゃな中学生を両親が別人と泣くほどきちんと育てています。人は、学びを得て、または反面教師を得て成長します。20歳で完成している良い人材は稀有です。特に今年の卒業生はコロナでリモート中心でした。十分なコミュニケーション力育成の機会は少なかったかも知れません。
 うちの会社の採用は他社とは全く別の基準で動いているとか、自社でしっかり育てるから多様な学生を待っていると言う会社には、意欲のある原石が来る様な気がします。

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